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金色の夢 緋色の夢

金色の夢 緋色の夢

〈STORY〉

盲目の洞窟の奥底に
光の虜囚

金色の夢をみていた

唇に目醒めの剣を
只 気付いて欲しくて
胎動が始まり
夢が震えた

恋をしていた
臓腑の裡で

夢を紡いだ
幾度も 幾度も
手探りで 探した
探し 続けた

狂いながら 愛した

果たして狂気で紡いだ愛は
愛といえたのだろうか

幸福だった
狂い続けていたかった

永遠に

牢獄の外で
涙を流す女

「ごめんなさい」
「それは、貴女の咎ではありません」

幾年もの時の果て
記憶は血に流れ
歴史は復讐を奏で
贄の胎児の子守唄となり

真実は棺に閉じられ
一つの狂気が終焉を迎え
もう一つの狂気が動き出す

緋色の夢をみている

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